国際教育

第12回欧州英語討論会実施報告 開催地:タリン・ビルニュス

 欧州英語討論会は、面接等によって選考された2~4年生が、現地の大学で英語でのプレゼンテーションを行うとともに、現地大学の学生と議論などをする機会を持つイベントで、経済学部における特殊講義の一つと位置付けられています。また、現地での企業訪問なども行うことで、現地の文化・歴史などを学ぶ機会にもなっています。

 本年度は、第12回目となる欧州英語討論会の一環として、2017年11月8~15日に、10名の経済学部生が引率教員とともにタリン大学(エストニア)とビルニュス大学(リトアニア)を訪問しました。

Presenting at Tallinn University
Presenting at Tallinn University
Presentation by Tallinn University students
Presentation by Tallinn University students

 タリン大学は、いくつかの大学を合併することにより2005年に誕生した新しい大学で、エストニアの首都タリンの港近くに位置しています。タリン大学では、双方の学生が事前に設定されたテーマに沿ったプレゼンを行いました。横浜国大の学生は、「日本におけるエストニア像」「日本における人口減少と移民」の発表を英語で行い、タリン大学の学生からは、エストニアの教科書や報道記事などでの日本の扱われ方についての発表がありました。どの発表でも活発な質疑応答が行われ、有意義な時間となりました。発表後には、タリン大学の日本語授業への参加をお誘いいただきました。この授業では、タリン大の学生の日本語訓練の一助となるとともに、日本語での自己紹介などを通して双方の学生がふれあう貴重な機会となりました。授業後には、タリン大の学生にタリンの港や旧跡を案内していただき、タリンの文化・歴史に触れることができました。


With Japanese ambassador Yoko Yanagisawa
With Japanese ambassador Yoko Yanagisawa
Visit to Mektory, Tallinn
Visit to Mektory, Tallinn

 タリン大学訪問以外にも、タリンで様々な活動が行われました。まず、在エストニア日本大使館を訪問し、栁沢陽子大使と面会した後、エストニアの歴史および社会経済情勢についてレクチャーを受けました。近年のエストニアはIT分野の成長が著しく、IT技術を利用した効率的な行政システムがその成長を支えています。学生たちはその歴史的経緯やその意義などについて活発に議論していました。その後、タリン工科大学内のMEKTORYを見学しました。MEKTORYは、大学と民間企業等を結びつけてスタート・アップを支援することなどを通じて、イノベーションを促進することを目的とした組織です。建物内には、様々な国の特徴を持って整備された部屋や、進行中のプロジェクトの展示などが多数あり、学生たちも感銘を受けていました。その中に「Japanese Studio」もあり、靴を脱いで上がると盆栽など日本文化を紹介するものが展示されていました。

YNU cohort presentation
YNU cohort presentation
Presentation by Vilnius University students
Presentation by Vilnius University students

 11月12日に、リトアニアの首都ビルニュスに移動しました。今回訪問したビルニュス大学は、イエズス会によって1579年に設立された歴史を持つ伝統ある大学です。ビルニュス大学でもプレゼンテーションでは、横浜国大の学生が「横浜・横浜国大の紹介」「日本の祭」「弁当」「日本における人口減少と移民」について英語での発表を行い、ビルニュス大の学生からは「ビルニュス大学の紹介」「リトアニアの伝統的な料理」「リトアニアでの生まれ故郷の紹介」に関して日本語での発表がありました。いずれの発表でも活発な質疑応答が行われ、特に日本で弁当を誰がどのように作るのかという点や、移民に関する社会状況などについて、特に長時間の議論がありました。ビルニュス大の学生発表に関連して、ビルニュス大生が自作したパンや菓子などがふるまわれる一幕もありました。


Socializing with VU students
Socializing with VU students

 複数のキャンパスを持つビルニュス大学の中でも、討論会が行われた日本語学科は、大統領官邸に隣接する最も古いキャンパスに所在しています。プレゼンテーションのあとは、その歴史あるキャンパスを現地教員・学生の案内の下で見学しました。特に、創立当時からある教会には様々な肖像画や歴史の展示があり、学生たちは熱心に見学していました。

 上記のように、エストニアとリトアニアで、学生たちは現地の学生などと交流を持ち、現地の歴史・文化に親しむことができました。11月28日には成果報告会が開催され、各学生がその経験を英語で発表しました。今回の欧州英語討論会では、現地の多数の方々のご助力をいただき成功裏に終了することができました。特に、タリン大学のMargit Juurikas、Akiko Masaki、Alari Allikのお三方と、ビルニュス大学のMindaugas Ignotas、Zivile Jomantaiteのお二方には大変にお世話になりました。これらの方々のご尽力がなければ、今回の討論会は成立しませんでした。この場を借りて心から御礼申し上げます。

2018年の第13回欧州英語討論会は、リスボン(ポルトガル)とバルセロナ(スペイン)で開催される予定です。

The YNU Euro-Japan cohort 2017
The YNU Euro-Japan cohort 2017